shiraiwac030604
「余暇政策論」レポート
「東京ディズニーランドにおけるホスピタリティ」 k010125 白岩千代
私は、「夢と魔法の国」といわれる東京ディズニーランドにおけるホスピタリティについて調べていきたいと思う。施設におけるバリアフリーや様々な障害を持つゲストへの配慮、そしてそこで働くキャストについて探っていく。
◎ 様々な障害ごとに配慮されているバリアフリー
ディズニーリゾートのホームページにバリアフリーというカテゴリーがあり、障害別に、利用できるアトラクションやショップ、レストランが紹介されている。
車イスの方のための設備としては、エレベータの設置、スロープの設置、車イスのまま利用できるアトラクションなどの紹介。肢体不自由な方へは、不自由な部位別に、搭乗可能なアトラクションが紹介。視覚障害の方のためには、触地図やアトラクションの建物や乗り物の形をかたどった模型、インフォメーションCD、レストランでの点字メニュー、音声で案内する受話器をつけたATM、誘導用ブロックが用意されている。介助犬、聴導犬、盲導犬を連れている方が可能なアトラクションを紹介。内部障害も部位別に紹介。食事制限のある方のためにはレストランに、ミキサー、フードカッターが常備され、湯煎可能店舗もある。また、手話が可能なキャストがおり、目印として胸にピンをつけている。また、ベビーカーや電動カートの貸し出しも行っている。
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/hand/index.html
◎ バリアフリー設備の利用と改善
「ミクロアドベンチャー」は、ゲストは劇場の観客席に座り、3Dで展開されるスクリーンでのショーを楽しむアトラクションであるが、聴覚障害者の方も楽しめるよう字幕設備がついた。3Dめがねの代わりに3Dめがねと字幕システムが一緒になったものが手渡される。設備が加えられた当初は、ノイズがひどかったり途中で消えたりしていた。また、会話のあらすじが書かれた紙もすぐに回収されていた。しかしその後、利用者の感想をしっかりと把握し、改善がされた。今では、専用めがねの台数も増えノイズもなくなり、ショーの概要が書かれたものもチラシとして配られ、じっくりとショーの内容を理解できるようになったと言う。
http://page.freett.com/chipdale525/バリアフリー/mikuro.htm
◎ ゲストアシスタンスカードをめぐる問題
ゲストアシスタンスカードとは、自閉症などにより「長い間待つ」ことができない人があらかじめ発行されたカードを係員に提示することにより、すみやかな入場、援助がはかられるというものである。障害のあるひと・子供が、施設面でのバリアフリーでは解決できない施設利用のためのスペシャルニーズを解決し、障害のあるひともないひとも公平に施設を利用にしてもらうための対人援助サービスである。
http://www.eft.gr.jp/gacard/index.htm
2000年4月 ゲストアシスタンスカード制度開始
ハードのバリアフリーだけでは解決できない困難さをもつ障害ある人や子供たち、とりわけ、長い時間列に並んだりすることがそのハンディゆえに大変困難な自閉症等の子供たちと家族のためにその導入を切望してきた結果、発行にいたった。4月だけで3300枚発行。多い月で5000〜6000枚。
※カードには3種類 @劇場タイプのアトラクションで音源や舞台に近い席に座れる。
A行列に並ばず、時間がくれば利用できる。
B速やかにアトラクションを利用できる。
※
一回カード発行したら、次回はそのカード持参すれば簡略化した発行を行う。
※
カード一枚あたりの利用人数の制限は常識の範囲とし特に制限は設けない。
※
障害により待てない旨の自己申告とメインストリートハウス発行担当キャストの判断(障害手帳等は必要ない)
http://www.eft.gr.jp/gacard/020521asahi.htm
2002年4月 カード発行基準変更
※ その都度、初回発行と同じ手続きを要する。
※
利用人数は最大限4人までとする。
※
障害により待てない旨を明記した医師診断書の原本提示が必須とする。(障害手帳では代替できない。ただし、診断書は返却され、再利用は可能とする。)
http://www.eft.gr.jp/gacard/0204newstd.htm
制度変更の目的は不正利用防止の強化である。悪用されるケースが目立ち、利用者の公平性が保てなくなったという。じつは、ゲストアシスタンスカードについては、その制度自体がTDRから対外的に公開されていない。従って、この重大な制度変更も個別問合せに答える以外では一切公開・周知は図られてない。特に診断書の件は入場してからでは間に合わない。今回の制度変更にあたり、入園後、メインストリートハウスではじめて「診断書必須」を知る利用者にとっては、入場券を買いながらも、ほとんど施設を利用できないということもありえる。http://www.eft.gr.jp/gacard/0204newstd.htm
2000年5月20日 「速やかに案内」のサポートが廃止
アシスタンスカードを正規に利用している方々よりはるかに多くの悪用する方がいるため。また、「診断書にはお金がかかる」「手帳のない障害もある」などの声もあった。診断書の偽造(借用?)はもちろん、演技も堂が入っているような人も大勢いる。車いすに乗ってカードを申告しながら、園内に入ると立ち上がって走っていく人もいるという。オリエンタルランド広報部は「心ない人が申告しても区別ができない。『速やかに』のカード発行が予想以上に多く、運営も難しくなった」と廃止の理由を説明する。モニターしてみると、アトラクションのプレショーエリアに入った途端、いままで表情も乏しく、首も力なく下げていた女性が、きらきらと目を輝かせ、「あのカードって『水戸黄門』みたい。最高にいいわぁ、今度は逆の役で行こうよ」と話していたとのこと。新聞や雑誌にカードの存在が明らかになってから、その数はどんどん多くなっていった。また、カードを悪用している人を見ている多くの健常者のゲスト、またカードの存在を知らない人は、不愉快に感じ、苦情を受けることもある。
本当の意味で公平を図ろうとしたこの制度も、「一部の」というより「多くの」心ない者のために、一般のゲストからは「不公平」に映り、TDRはもちろん、本当にカードを必要としている方々も悪意の対象となってしまっている。公開か非公開が問題なのではなく、悪用>正規という状況を改善すべきである。http://www.eft.gr.jp/gacard/020520.htm
制度変更の告知は、1週間前から、インフォメーションに問い合わせた人にのみしか行っていない。既に診断書とってしまった人は、メインストリートハウスで、発行費用を支払う。ここまで問題がこじれた最大の原因はTDRが一切制度を公開しなかったため、制度を知らない人からの苦情が出た、秘密の制度を悪用する不心得者が出たということ。それを、そもそも障害者への対応は経済的・社会的コストがかかるものであり、一企業での対応は無理…TDRはこう問題をすりかえてきている、という人も。
http://www.eft.gr.jp/gacard/020520.htm
2002年5月以降
ディズニーランド側・・・「速やかに案内する」ゲストアシスタンスカードの制度はなくなりましたが、待てない、並べないことも含めた傷害のある人の個々のニーズを踏まえた運用面での配慮はありますので、待てない障害のかたも含め安心してインパークください。http://www.eft.gr.jp/gacard/0208tdrstd.htm
障害者の子供を持つ親達・・・制度の復活を求め、署名活動を行っている。2002年11月の時点で約8000人の署名が集まっている。(毎日新聞 2002年11月1日)
http://www.eft.gr.jp/gacard/021101mainichi-1.JPG